Column Detail純銅C1100とC1020は何が違うの?銅バスバー(ブスバー)に使う際の注意点も解説!
こんにちは。アートウインズ・シートメタルです。
今回は銅材の選定に役立つ、「純銅C1100とC1020の違い」について詳しく解説します。
銅バスバーや配電用部材の製作にあたって、材質特性だけでなく、対応可能な板厚や加工精度も重要になります。ぜひ参考にしてください!
銅材の基本種類と純度
普段何気なく使われている銅にも、多くの種類があります。大きく分けると次の通りです。
- 純銅:99.90%以上の銅(今回はこちらがテーマ)
- 銅合金:銅に亜鉛、スズ、ニッケルなどを加えたもの(例:真鍮、青銅)
純銅の代表例と純度は下記の通りです。
材料 | 純度 | 特徴 |
---|---|---|
C1100(タフピッチ銅) | 99.90%以上 | 酸素を微量に含む、一般的な純銅 |
C1020(無酸素銅) | 99.96%以上 | 酸素をほぼ含まず高導電性 |
C1220(りん脱酸銅) | 99.90%以上 | りんで脱酸処理、耐食性に優れる |
C1100【タフピッチ銅】の特長と注意点
- 純度:99.90%以上
- 酸素含有量:約200~500ppm
C1100は広く流通しており、コストパフォーマンスに優れた材料です。
ただし、微量の酸素により「水素脆化(水素割れ)」を起こす可能性があります。
主な注意点
- 高温溶接・ろう付け工程での水素脆化に注意
- 使用温度が600℃を超える場合はリスク評価が必要
- 市販品は1/4H調質が主流(硬さ調整は特注対応)
C1020【無酸素銅】の特長と注意点
- 純度:99.96%以上
- 酸素含有量:10ppm以下
C1020は酸素をほとんど含まないため、水素脆化の心配がありません。
電気伝導性が非常に高く、真空環境や高信頼性を求める用途に最適です。
メリット
- 溶接・ろう付け工程に強く、水素脆化なし
- 極めて高い電気伝導性(C1100より高い)
注意点
- 材料コストは高め
- 加工硬化により曲げ・成形設計に配慮が必要
C1220【りん脱酸銅】について(補足)
C1220はりんを添加して脱酸処理した銅で、水素脆化リスクがありません。
耐食性・溶接性に優れており、空調配管や熱交換器などに多く使われています。
銅バスバーに使う際の対応可能範囲(当社実績)
項目 | 内容 |
---|---|
対応板厚範囲 | 0.3mm ~ 3.0mm |
主流板厚ゾーン | 0.8mm ~ 2.0mm |
加工公差(目安) | ±0.05mm ~ ±0.2mm |
対応材質 | C1100、C1020、C1220 |
厚み0.8~2.0mmを中心に、多くのご依頼をいただいています。
ファイバーレーザー加工、プレス加工、微細曲げ加工など、多様な工法に対応可能です。
材料別おすすめ用途
材料 | 特長 | おすすめ用途 |
---|---|---|
C1100 | コストパフォーマンス◎ 汎用性が高い |
通常環境のバスバー、一般電気部品 |
C1020 | 高導電性・高耐熱性◎ 高信頼性用途向き |
真空装置、半導体製造設備、医療機器 |
C1220 | 耐食性・加工性◎ 溶接向き |
配管、熱交換器、屋外設備 |
まとめ
- C1100はコスト優先・一般用途向き。ただし高温工程には注意。
- C1020は高信頼性用途に最適。価格は高いが、導電性・耐久性で安心。
- C1220は耐食性・溶接性重視の配管・熱交換器用途に向く。
- 板厚0.8〜2.0mmを中心に、±0.05〜±0.2mmの精度で加工対応可能。
銅バスバーや銅加工部品について、材料選定から加工方法までトータルでサポートいたします。
ぜひお気軽にアートウインズ・シートメタルにご相談ください!